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雑記的あそびの集団論 (ミニエッセイ集) 目次へ

 遊び学ブログにおいて、「遊び集団」についての思いつきなどを書き綴ったものをまとめて転載したものです。なお、必要に応じて加筆・修正を施しております。

 雑記的こどものあそび集団論(その1)/2004年08月31日

 こどものあそびの大切な条件である「仲間」に関わって、あそびの集団論を私なりにまとめようと思っている。そこで、この日記という場をかりて、まだまとまっていない段階での思い付き程度のものを機会あるごとに書いていくことにする。
 こどもの集団は、大きく二つに分けることが出来る。自然集団と人為集団の二つだ。最初の自然集団とは、子猿の集団のように、自然な生活の中で形成された集団を指す。もちろんその周りやそれを含むものとしておとなを含めた集団(母集団)がある。
 自然集団は、その母集団が生活する地域に依存して形成される。猿の場合では子猿の群れにあたり、人間の例としては町内や団地内などでのこども集団がそれにあたる。
 ただ、人間の場合引っ越しなどにより、若干の人為的な入れ替わりに伴う変動がある。基本的には地域での生活を基盤として形成されるには変わりがない。
 つぎの人為集団、これはある意味では人間特有のものとも言える集団だ。その典型は、学校という様な人為的・社会的な制度によって形成される集団だ。その他の人為集団には、保育所・幼稚園・学童保育所・塾などがある。これらは、自然集団と重なり合って形成される。
 さらに、その母集団の基盤となる地域の規模が小さい、言い換えると小さな村などでは自然集団と人為集団はかなりの部分でオーバーラップする。反対に、大都市などでは自然集団と人為集団は関連性が薄くなる。


 雑記的こどものあそび集団論(その2)/2004年09月01日

 昨日は、こどものあそび集団をその形成基盤から分類したが、今日はその集団の構成要素から見た分類を考えていく。

1.構成年齢による分類

 同年齢(同学年)集団:集団の構成が、ほぼ同年齢のこども達からなる集団。

 異年齢(多学年)集団:集団の構成が、異年齢や異なる学年(学校での)のこども達からなる集団。

 この分類での、異年齢集団の大切さを指摘した意見は、数多い。私も異年齢集団の素晴らしさを大いに評価している一人だが、同年齢集団にも異年齢集団にない良さも有ると考えている。この点については機会を改めて私見を書く。

2.性別による分類

 単性集団:集団の構成が、同性のこども達からなる集団。男の子集団と女の子集団がある。

 混性集団:集団の構成が、男女両性入り混じったこども達からなる集団。その男女構成比は様々なものがある。

 今までの、こどものあそび集団の議論の中には、意外と性別構成の違いによる議論が少ないように思っている。この視点に立ったあそび論も面白いかと思う。将来の私自身の課題として分類を進める。

3.おとなの存在による分類

 真こども集団:集団(あそび)の構成が、こども達だけからなる集団。

 准こども集団:こども集団に、若干のおとなが入った集団。保育所・学童保育所などでしばしば見られる。

 こどものあそびには、いろんな状況下でおとなが参加する場合がある。あそび集団におとなが参加した場合、そのおとなが指導的・教育的などの立場如何に関わらず大きな影響を与える。この事は、あそび論での重要な視点となる。

4.構成人数による分類

 集団の規模が、小規模であるか大規模であるかは、段階を決めた集団定義の線引き(小規模集団・大規模集団など)は難しいが、規模の程度による違いはあると思われる。

5.構成者(こども)の能力(あそびの技術・知識など)の違いによる分類

 例えば、全くコマ回しを知らないこども達だけの集団か、コマ回しの得意な子がいる集団の違いを考慮した分類。初心者集団・熟達者集団及びそれらの混合集団など。

 また、異年齢集団は、体力・知識差のある集団になりやすい。一方、状況によっては同年齢集団でも力の差のある集団になる場合もある。


 雑記的こどものあそび集団論(その3)/2004年09月02日

 これまで、こどものあそび集団の分類をいろいろ書いてきたが、そのあそび集団の定義は、その意味合いに於いても二つに分類することが出来る。
 その一方の定義による集団を、個々のこどものあそびが実際に行われている集団とし、例えば「カンけり」あそびなら、その進行中の「カンけり」あそびを形作っている集団を狭義のあそび集団と定義する。
 その狭義のあそび集団の形成基盤となっている源の母集団を、広義のあそび集団と定義する。これには、町内会全体のこども集団(自然集団)の場合や学校における学級集団(人為集団)などが相当する。
 また、ある公園で「カンけり」をしているこども達(狭義のあそび集団)と、その周りで違うあそびをしていたり、その「カンけり」を見ているこども達をひっくるめた集団も広義のあそび集団と考えられる。
 これら、狭義・広義のあそび集団には、これまで挙げた諸分類が適応できる。例えば、地域の子(全部でなく一部の)だけで「カンけり」あそびが行われていたら、その集団は狭義のあそび集団であり自然集団となる。そして、地域全体の集団は広義のあそび集団となる。

(ミニエッセイ集は、「遊び学ブログ」の記事を加筆・修正したものです。)

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