ころがしドッチって?
ころがしドッチボール
風にも負けない子ども達に根強い人気のある遊びに、ドッチボールがあります。そのドッチボールにある変化が少し前ぐらいから起きています。今、多くの小学校では、投げて当てるドッチボールでなくて地面にボールを転がすやり方の「ころがしドッチボール」で、投げるのは反則になる方法を、特に低学年での実践にとっているそうです。また、学童保育所や保育所などでも、幼児や低学年ではそのようなやり方をとるところが増えてきているそうです。理由として、投げるドッチは危険だということが挙げられています。
「ころがしドッチ」は安全か?
では、「ころがしドッチ」は普通のドッチに比べて安全なのでしょうか。私は、そうは思いません。なるほど、地面の上を転がるボールは顔に当たる心配はまずありません。しかし、「ころがしドッチ」はなまじっかボールが地面にあるだけ、ボールの上に乗って転倒する(単に転倒するより、一般的に衝撃が大きい。)可能性が大きくなります。顔にボールが当たるのと転倒して頭を打つのでは、どちらが大きなケガの可能性のあるかは、はっきりしています。ボールの上に乗っかる確率が低くても、ケガの度合いはそれをけっして弱めません。まして、顔面当てが反則になっているルールでは、ボールが顔に当たる確率は低くなり、普通のドッチボールがより危険だと言うことがますます怪しくなります。
顔面当て禁止ルールについて
一方話は変わって、先ほどの顔面当て禁止ルールには、賛否両論があります。わたしは、学童保育所時代の実践の時も現在も、「顔面当て禁止ルール」は条件付きで賛成です。それは主に、今の子ども達の状況に依っています。今の子ども達は、危険に対する反射行動が少し鈍くなっていると思うからです。例えば、転けてもかばい手が出来ない、目に物が当たりそうになってもとっさにまぶたが閉じられない、などです。ドッチボールのゲームに集中していれば、普通は顔面にボールが向かってきても避けられるはずですが、これが出来ない。この様な状況がある限り「顔面当て禁止ルール」は採用すべきです。
また、小学校などに備品としておいてあるボールは、ゴム製の比較的重量のあるボールが多いようですが。これは、一般的にドッチボールには不向き(特に低学年には)だと思います。この様な重量のあるボールは、顔面に当たると頭蓋内で脳が動いて思ったより大きなケガをする場合があります。もちろん、このボールを蹴って顔に当たった場合も同じです。だから、多くの所のドッチボールの実践では、合成であるかは問わず、皮革製の公式少年用バレーボール(数百グラム程度で、仮に水を含んでも1キログラムにならない)が使用されています。(公式ドッチボールは少なくとも低学年には少し重いようです。)しかし、ゴム製に比べ高価になり消耗しやすく、それが学校で採用されない理由ともなっていそうです。しかし、学校内でドッチボールをやるなら、今まで述べてきた理由で、ボールの見直しをおすすめします。
やはり、ドッチはおもしろい!
ドッチボールは、普通は比較的年齢差のないメンバーで遊ばれます。特に昔は、仮に年齢差が大きく違っていても、年長の子どもは加減をしたもので、だから危険な遊びでは無かったのです。それが、危険な遊びに変わった?のは、誰のせいなのでしょう。私を含めたこの様なドッチボールをめぐるおとな達の、ああでもないこうでもないという論議?を尻目に、遊ぶ姿を周りで見かけることが少なくなった今でも、ドッチボールだけはまだまだ街のあちこちで見かけます。そこには、投げて当てた時の快感、当てられそうになった時のスリル感、まんまと受け止めた時の充実感などなど・・・・・それがたまらなくて子ども達はドッチボールをやり続けるのでしょう。おとなは、子どもの世界に余りに干渉しすぎないでと・・・・・
この一文は、@nifty子育てフォーラムの別館10番会議室(保育園・学童保育の話題 )の書き込みを閲覧させていただいた時に、思い立ったことをまとめさせていただきました。フォーラムのみなさんには、ここであらためて感謝をさせていただきます。
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