ユニット折り紙雑記帳 : ユニット折り紙ブログ記事(1)

ユニット折り紙事始め:折り紙随想/2004年06月08日

 私は、折り紙なかでもユニット折り紙に大きな魅力を感じまして、創作を含めいろんな作品を折り続けてきました。そのきっかけとなったのは、ユニット折り紙の古典ともなっています薗部式ユニットに出会った時でした。
薗部式ユニット  まずその美しさに惹かれました。同じ形がお互いに対称的な位置関係を持って、整然と組み合わされ、立体を形成する美しさです。これは、正多面体が持っている美しさに起因しているわけですが、それに折り紙(色紙:いろがみ)の色彩が加わって美しさを倍加しているのです。
 そして、ユニット折り紙の素晴らしさは、同じ形に折った部品(ユニット)を組んでいく事によって、一つの作品を作るのですが、その組み上げる過程のパズル的面白さが、これまた魅力を増す要素ともなっています。パズル好きの私が、ユニット折り紙にのめり込んだ一番の理由です。
 さらに、あれこれ苦労したうえに完成させて時の、充実感は折った者でしか味わえない喜びをもたらしてくれる。この様に、ユニット折り紙は折り紙の機能的な特性をいかんなく発揮した優れものだと思う。
 もちろん、私自身の独自な性格や感性があって、これらのユニット折り紙の魅力を、感じ取れたかも知れませんが、学童保育所のこども達(高学年)の様に、夢中になってくれた子も多かったです。もし、暇をもてあますような状況になられたら、ぜひ試していただきたいものです。


折り紙と算数:幾何学的認識のひとつのバックグランドとしてのあそび/2004年06月11日

 小学校としてはピカピカの第1学年から図形の学習が始まります。今まであそびをはじめとする生活の中で親しんできた、丸・三角・四角という「形」を、幾何学として体系的に学び始めるのです。
 まだ、低学年のうちはいいものの、高学年になって半径・直径・平行・垂直などの、まだ幾何学では初歩でありますが、難しい?幾何学的概念が出てきますと、そろそろ「図形の学習」が嫌いになってくるこどもが出始めます。
 ましてや、これが中学校・高等学校へと学習の水準が本格的幾何学のレベルに達しますと、急激に幾何学大嫌いという子ども達が続出します。それは、それまでの体系的な学習の積み立て?を、あざ笑うかのようでもあります。
 そうした一方で、幾何学の神秘的とも言える、不思議さ・美しさに魅了され、幾何学が好きで好きでたまらないこども達も存在することも、周知の事実です。
 では、この両極端の分かれ目は何でしょうか。ひとつは、ごく当たり前の事になりますが、図形というものに興味を示し得たかどうかです。それは、はじめて「図形」と言う概念で教えられる小学校教育、なかでも低学年での教育での関わりが重要と考えますが、それについては別の機会にゆずることにします。
 つぎに、こども達が日常の生活の中で、どれだけ図形に親しんでいるかどうかが、図形・幾何学の好き嫌いを導きうる要素(バックグランド)の一つとなると考えています。
 こどもの生活の中では、あそびが効果的で、図形を意識して活動をするのが、タングラム・ジグソーなどのパズル類、組み立てブロックあそび、お絵かきあそびなどいろいろあります。そんなあそびのなかで、日本において歴史と伝統のある、折り紙あそびに論点をしぼります。
 折り紙は紙を折ると言いましても、周知のように、でたらめに折っていくのではありませんで、、重要で基本的な法則・定理などに依拠しているのです。
 例えば、折り紙を真半分に折るには二通りの方法がありまして、対角線(角の2等分線)で折って三角形にするか、辺の2等分線で折って長方形にするかのどちらかです。また、特殊な折り方として、頂点を辺の中点と重ねるような折り方もあります。
 この様に、その意味は全く知らなくても、自然に2等分線や頂点・中点などのイメージ形成が培われているのです。こうした、幾何学における基本要素の慣れ度合いは、将来や進行中の幾何学学習の、大切なバックグランドになり得ます。
 さらに、折りあげる過程や結果に出現する様々な形、ユニット折り紙など立体的な形を見た経験の効果は、決して小さくはないと考えています。
 この様に、折り紙は幾何学学習を助けるひとつのバックグランドをつくりますが、これはあくまでバックグランドであって、幾何学的知識は学校等での幾何学教育が無くては、成立し得ないことは言うまでもありません。
 そして、折り紙が苦手な子のみならず、一般に折り紙は押しつけても、折り紙そのものを一層嫌いにしてしまい、効果はほとんど期待できません。親が、折り紙の楽しさを十分に味わうことが、一見回り道のように見えて、実は近道なのです。




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