ユニット折り紙雑記帳 : ユニット折り紙ブログ記事(2)
多面体の美しさ(合同の多重集合美):ユニット折り紙の魅力/2004年06月22日
ユニット折り紙が「多面体の折り紙」と呼ばれるように、ユニット折り紙の魅力が多面体の美しさにあることは、前にも書いた。その多面体の美しさについての思いを綴っていく。
多面体の代表格は正多面体ですが、それはインフォシークのネット辞書:大辞林(国語辞典)によりますと、「面がすべて合同な正多角形でできており、どの頂点に集まる面の数も等しく、どの頂点における立体角も等しい多面体。(カッコ内引用)」となります。
ここに、正多面体がかもし出す美しさが凝集されていると言って良いのです。「面がすべて合同な正多角形でできて」いる、たとえば、正三角形なら正三角形だけで覆い尽くされているのです。
このように、全く同じ形で埋め尽くされている美しさは、自然界ではミツバチの巣・魚の鱗・トウモロコシなど、人工物ではタイル壁・連子格子・瓦葺きの屋根・千枚田などに感じる美しさと共通です。
整然と同じ形が続く美しさに、人は太古の昔からひかれてきたことは、土器や青銅器などの文様にも、少なからず現れていることにもうかがえます。合同形の集合美は時代を超えた普遍的な美なのです。
さらに、正多面体は「どの頂点に集まる面の数も等しく、どの頂点における立体角も等しい」と言う性質で、その同じ形の連続に、同じ配置の仕方という、二重構造で一層その美しさを強調しているのです。
このユニット折り紙の重層構造は、元の正多角形のすべての辺や内角が、それぞれすべて同じ(合同)と言うことを考えますと、ユニット折り紙は合同の多重集合体とも言えます。そして、そこに神秘的とまでも言える、ユニット折り紙の美しさの秘密があるのではないでしょうか。
ユニット折り紙の私的ルーツとしての『重ね箱』/2004年09月15日
折り紙には、単独でも完成品となるものばかりでなく、ユニット折り紙や折り紙細工のように、ひとつでは作品となり得ず、幾つかを組み合わせてひとつの作品を完成させるものがあります。
その両方の性質を兼ね備える中間的な存在が、「重ね箱」と呼ばれる伝統的な折り紙です。これは、単独でも箱として立派な作品ではありますが、サイズの違う物をもう一つ作って、蓋付の箱の作品としても楽しめるます。
さらに、どんどんサイズが小さい物を数多く作って、ロシア人形のマトリョーシカのように、入れ子にして楽しむことが出来ます。開けても開けても、次から次へと箱が出てくるものです。
私は、こどもの頃に数十個も作り、友達などに自慢して見せびらかせたことがあります。この時は、市販されている奇麗な折り紙では勿体ない(貧乏じみてはいるが、それが普通の時代だった。)ので、藁(わら)半紙を切って作りました。
これは、前に日記にも書きました、「ハレとケ」の折り紙で言いますと、生まれはハレで育ちはケと言った折り紙と言えるものです。長方形の紙を、わざわざ正方形に切って作ります、かえって面倒な作り方をして作るのです。
今、思い返してみても、おかしなくらいですが、こどもは思い立ったら、先を考えずに一途に突き進みます。これは、ある意味では、こどもの素晴らしくもあり、向こう見ずな行動でもあるのです。
ともあれ、好きとは言え、こどもの頃では、同じ物をひたすら折る事に、苦痛を感じずいられることは、こどものひとつの能力でしょう。そして、現在の私のユニット折り紙に、はまりこむ素地が、このころ作られたのでしょう。私のユニット折り紙のルーツでもあるのが、この「重ね箱」なのです。
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